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2019年8月より、第2木曜午後にロービジョン外来を開設しました。通常の眼科診療では「回復できない、見えない、見えにくい」を手助けする外来です。一般外来を受診していただいた後の予約制となっています。
ロービジョンケアに関連するお役立ちウェブサイト情報をまとめましたのでリンクをご覧ください。

見えにくさでお困りの患者さんに対しする看護師の関わり

埼玉医科大学病院アイセンター看護師の岩村です。見えにくさでお困りの患者さんへ看護師としてどのような関わりをしているか、いくつか紹介いします。

入院中、見えにくいと訴える患者さんの困りごとで多いのは点眼薬が点せないことです。看護師が患者さんの代わりに点すことは簡単ですが、それでは退院後の点眼治療ができなくなってしまう恐れもあります。見えにくくても患者さん自身が点眼薬を点せるようにならなければなりません。そのため正しい点眼薬の点し方をお話するのはもちろん、その方に合わせた見やすい点眼表の作成、触って分かる容器の工夫などを行って、患者さんが自分で点せるように指導を行っています。

ロービジョン外来で診察にいらした患者さんには問診票を参考に、直接お話を伺い患者さんの困りごとを解決できるよう心がけています。日常生活では凸シールの利用やコントラストをつけるなど、少し工夫をすれば「できないこと」を「できること」に変えられます。凸シールや、署名するときに便利なサインガイド、お札が識別できる封筒を実際に患者さんに使っていただくと、「なるほどね」「こうすればいいんだね」と関心を示してくださる方もいます。「帰ったら早速やってみる」と嬉しそうに話す患者さんの笑顔で私の方が嬉しくなります。

封筒は5千円札と同じ大きさでに切ってあり、それより小さいと千円札、大きいと1万円札が触って分かるようになっています。

凸シールはマスキングテープにボンドを垂らし固めたものです。触るとポコッとしていて目印になります。

サインガイドは病院の同意書の大きさに合わせて黒い画用紙をくりぬきました。散瞳して見ずらい方にも使っています。

 

視覚障がい者の方は触ることを情報収集の手段の一つとしています。また一人で移動することができず歩行の援助を必要とする方もます。昨年4月にはコロナ感染拡大の影響で初めて緊急事態宣言が発出され、外出自粛やいわゆる3蜜を避けるよう言われましたが、視覚障がい者の方にとっては日常生活に弊害をもたらす事態となってしまいました。私たちは患者さんたちが困っているのではないか、そもそもコロナのことを知っているのかと心配になり、当院で障害者手帳を申請した患者さんに電話連絡を行いました。患者さんから「連絡が来たことがうれしい」と言っていただき、改めて言葉かけの大切さに気付かされました。

当院でロービジョン外来を開設してもうすぐ2年が経ちます。まだまだ分からないこともありますが、少しでも患者さんの「できること」が増やせるように今後も努力していきたいと思います。